【#3】卯月軍団にオヌヌメの作品ネタバレなしで紹介しる【リリイ・シュシュのすべて】
突然ですが、僕は男性視聴者は男性Vtuberをどうみてるの?【集まれ!コウボーイ】後のコウのツイートが大好きです。
さっきの配信、最後かっこつけすぎて綺麗ごといって言葉を間違えた。俺はいなくなるのも一つの選択肢だしただ真っ暗なだけで救いがないのも別にありだと思ってて、ただ、真っ暗なだけにも真っ暗なだけの美しさがあって、その美しさを否定するのは好きじゃないってことを語りたかった。(恥ツイ)
— 卯月コウ@令和 (@udukikohh) March 14, 2019
僕はあの配信で発された言葉に不信感を抱いていたので、正直この補足が無ければコウのことを見る目が変わっていました。
と言うのも、僕はこういう作品が大好きであり、コウもまたこの手の作品を愛する一人であると考えていたためです。 そして、その考えに至るきっかけになったのが今回紹介する作品でもあります。
また、この手の作品は今後も扱って行きたいので、この場ではジャンル分けとして仮に『暗美系』と呼ぶことにしましょう(アンビエントみたいでかっこいい)
『リリイ・シュシュのすべて(以下:リリイシュシュ)』は、2001年に公開された岩井俊二監督の日本映画、またその原作および岩井俊二によるインターネットの掲示板を用いた誰でも書き込みができる実験的なインターネット小説であり、2004年に角川文庫から単行本が刊行されています。(※Wikipediaより抜粋)
今回紹介するのは映画版になります。理由は僕が原案であるインターネット小説と小説版を読んでいないのと、コウが話していたのが映画版だったためです。
原案であるインターネット小説は成り立ち自体がかなり実験的で面白いため、興味のある方はWikipediaの「作品概要」にある「Y2Kプロジェクト - インターネット小説」を読んでみるとよいでしょう。ですが、すぐ次の項目の「映画化」には映画版本編のネタバレが多数含まれるため、「映画化」及び他項目(あらすじ等)は本編の視聴後に読むことを薦めます。
ではあらすじ。田園の広がる地方都市で暮らす中学生の蓮見雄一は、同級生の星野修介に万引きなどの犯罪行為を強要され、鬱屈とした日々を送っていた。唯一の救いはカリスマ的な人気を持つ女性歌手、リリイ・シュシュの曲を聞くこと。(※Wikipediaより抜粋)
このあらすじの通りリリイシュシュはとても暗い。ひたすら暗い。いじめ、恐喝、万引き、援助交際、レイプ、殺人、自殺、と、要素を上げ始めればキリがないほどの闇。しかし、そんな闇の中。音楽だけは救いを与えてくれる……というのが本作の概要。
これだけ暗い題材を扱う本作において、私の考える最大の魅力は『映像美』です。
リリイシュシュでは陰湿な社会の闇を映像作家としても名の知れる岩井俊二が監督・脚本・編集として、生活に寄り添った、眩しいほどの映像美で描いています。 どこまでも救いのないリアル、目を背けたくなるような現実がスクリーンに映し出され、観客はそれに釘付けにされます。
また、本作を彩る要素として劇伴の美しさは欠かせません。
本作のサウンドトラックは本当に美しい。が、美しい音色には映画本編の陰が常に身を潜めており、ふと想起させればひとたまりもなく憂鬱の波に飲み込まれます。
私は、劇伴の真価は作品との一体化によって初めて顔を表すものと思っています。
その点本作の劇伴は、劇伴としての素養を完璧に持ち合わせていると言えるでしょう。
そういえば、key作品でもあるTVアニメ『Charlotte』のこの画はリリィシュシュのオマージュと言われてたりします。
…実を言うと、私はリリイシュシュを元々見ていたわけではなく、コウの配信で初めて知って見たクチです。
配信にて「映画を全然見ない」と言った直後に筆頭としてコウが挙げた作品であり、コウに「影響を受けているかもしれない」と言わしめた作品です。見ない手は無い。(前述の通りかなり人を選ぶ作品なのでそこだけは本当に注意を)
↓1:40:55からリリイシュシュの話題