【#6】卯月軍団にオヌヌメの作品ネタバレなしで紹介しる【イリヤの空、UFOの夏】
まえがきに書くことが思いつかないので、全く関係ないのですが、最近見たNetflixのドキュメンタリー番組『ワイルド・ワイルド・カントリー』をオススメしておきます。
ワイルド・ワイルド・カントリーは、80年代に全世界を震撼させ今でも信者が生まれてるカルト教団ラジニーシの繁栄と衰退を、実録と当事者達の証言を基に当時何があったのか内外双方から描く作品です。
かなり丁寧に段階を踏んで実態を描いていくので、卯月コウを教祖視してる層にオススメです。実在したカルトが理想郷を作り上げ、世界中からホームレスをかき集めたりするさまは見ていて「これうづコウランドと卯月軍団じゃん……」とならざるを得ません。
それ以外にも重ねて見ると興味深い点が幾つも有ります。そちらはご自身の目で是非。 以上、ちゃんと書き上げられる気がしなかったのでここでの紹介となりました。
ではほんへ
『イリヤの空、UFOの夏(以下:イリヤ)』(イリヤのそら、ユーフォーのなつ)は、電撃文庫から2001年から2003年にかけて刊行された秋山瑞人のライトノベルです。挿絵は駒都えーじ。(※出典:Wikipedia)
あらすじ。
浅羽直之は園原中学校の二年生。非公式のゲリラ新聞部に所属する彼は、部長である水前寺邦博と共に、夏休みの間中、山にこもってUFOを探す日々を送っていた。園原にはUFOの噂が絶えない有名な空軍基地があり、水前寺はその秘密を暴かんとしていたのだ。しかし夏休み全てを費やしても、結局何の成果も得られなかった。
かわって夏休み最後の夜、思い立って浅羽は学校のプールへと忍び込む。が、そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ少女がいた。状況が飲み込めないままに浅羽は伊里野へ泳ぎ方を教えるが、すぐに伊里野の兄貴と名乗る男が現れて、家へ帰るよう言った。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。クラスから孤立してしまった伊里野と、そんな伊里野のことが気にかかる浅羽と、伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。そんな風にして、浅羽直之のUFOの夏は、その終焉に向けて静かに動き出した。 (※Wikipediaより引用)
主人公の浅羽直之は、情けないほど只の男子中学生です。早い話、境遇だけは一丁前な、物語の主人公には到底なり得ない一般人です。臆病で頭足らずで、どうしようもないほどの男子中学生。
そんな浅羽は伊里野との出会いで少しずつ変わっていく……のか。イリヤはそんなティーンのリアルな心情風景を夏景色で彩る作品です。
ですが、イリヤは「イリヤの空、UFOの夏」なんてタイトルを掲げておきながらメインとなる季節は夏ではありません。夏が舞台になるのはせいぜい第1巻最初のエピソード「第三種接近遭遇」くらいです(あらすじの始業式前まで)。
しかし、イリヤはコウが頻繁に名前を挙げる程夏の代名詞として名高い作品です。何故なのか。
それはイリヤが『夏の“残り香”』に縋る物語だから、と言えるでしょう。
すぐ近くにあったカノジョのキセツ、夏。その残り香は過ぎ行く時間の中で薄れていく。
イリヤはそんな残り香をボーイミーツガールで強調する作品でもあります。
イリヤには夏以上に象徴的な代名詞が存在します。
セカイ系です。
イリヤはセカイ系の代名詞として未だに語り継がれています。もっと詰めれば、セカイ系というジャンルを確立させた作品とさえ言えるでしょう。
とはいえセカイ系の原点は言うまでもなく95年発の新世紀エヴァンゲリオンです。
が、イリヤはそんなエヴァからセカイ系の要素のみを抽出・再構成した作品であると私は考えます。
鬱陶しい夏の日差し、ひ弱な男子中学生、平然と続く日常、電波系ヒロイン、閉じたセカイ、終末感、etc。
後世にセカイ系の象徴として語り継がれた要素を、文章力の高い作家がエヴァから抽出・再構成して作られたのがイリヤの空、UFOの夏という作品である、と私は考えています。(企画段階の仮題が「UFO綾波」だった、なんて話もある)
今年も卯月コウの夏がやってきます。イリヤを読んで備えましょう……みたいなことを言ってコウの夏を先駆け締めるつもりだったのですが、これを書いている途中で先日の配信があり、そこで夏への展望やなんやを話されてしまい、考える事は似たり寄ったりなんだなぁなんて思いました。
今回は夏への展望を好き勝手にダベる感じが最初期感あってよかったです。
恥ずかしながら僕はコウの配信を見てイリヤを読みました。
それも最初期、今となっては史実レベルのib実況です。(44:13~)
元々セカイ系自体は好物だったのですが、イリヤには手を出せておりませんでした。
そこでコウの配信を見て、配信が終了次第Kindleで全巻購入しました。
コウのことはミラティブ配信以前から信頼していたので、生涯一のラノベと言われ即決。(↓は僕が卯月コウを心の底から信頼した瞬間)
窓越しに光の反射でやり取りするシーンも自然と泣けるしな。なんなら冒頭から涙腺きつい
— 卯月コウ (@udukikohh) June 4, 2018
結果、イリヤは僕にとっても特別な作品となりました。
マシュマロにも送りましたが、今一度この場をもってコウへ感謝の気持ちを述べておきます。
ありがとう。俺にイリヤを読むきっかけをくれて。
お前は俺の夏だ。今年も心待ちにしているぞ。